天の河とウレシパモシリ

サイズ　原画　B2 （W728×H515×2mm)
イラストボード/アクリル絵の具
2024/12制作

価格は額装,送料込みのお値段です。
お好みの額装いたします。（額装代約25,000円ほど、ご希望の額オーダーの場合は加算させていただきます。箱に入れお届けします、原画のみがよろしければご相談ください。）

作品解説「天の河とウレシパモシリ」

数年前の北海道で幻聴に苛まされながら冬の天の河を見上げた時の心の震えと心象風景を描いた作者の表現の転換点となる作品。
私は収まる様子も無い幻聴に精神病が悪化していく日々に素知らぬ顔で日常を過ごしてみたい、と願っては諦めることを繰り返していた。そんなある冬の夜、壊れかけた平常心を立て直すために夜風に当たろうと外にでると満天の星空と天の河の光が私に降り注いだ。何光年もの彼方から光を届けている星たちは、ひょっとしたら今はもう存在していないのかもしれない。その光景は見る者全てに愛と優しさの存在を思い出させる力をもっていた。

︎●病気と制作について
私は今「いのち」という祝福を自分なりに描くことを目指している。
23年前、入院時に廃棄される心電図の紙の裏にナースステーションから借りた色鉛筆や歯磨き粉で、生きることを取り戻すように絵を描き始めた。
絵を描き音楽を創る行為は統合失調症状により見えるもの聞こえるものを否定せざるを得なかった私が、もう一度生の感覚を信頼し取り戻していく行為だった。自らのいのちのひかりで世界を照らすことが表現だと私は考えている。今ではもうひとつ道標となるひかりを見つけた。それは誰かを心から大切に想う、愛するというひかりだ。そして私はウレシパモシリ(アイヌ語で互いに育みあう大地)、互いに育みあう大地を心のままに描いてゆきたいと願いこの作品を描いた。